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インプラントのGBR(骨誘導再生)とは

インプラント治療は歯を失った場合の選択肢として多くの方がおこなっている治療です。ただ、顎の骨の高さや厚みが足りない場合、治療ができないこともあります。

そのようなときに骨を補う方法をGBR(骨誘導再生)と言います。この記事ではGBR(骨誘導再生)についてくわしく解説していきます。

GBR(骨誘導再生)とは

GBR(Guided Bone Regeneration)は、あごの骨が不足している場合に使用される治療方法で、日本語では「骨造成」や「骨誘導再生」と呼ばれます。

通常、インプラントが適用できない場合、GBRで骨を再生させ、それによってインプラントを埋め込むことが可能になります。この方法では骨移植ではなく、新しい骨が増えるように誘導することが特徴です。

方法としては該当部分を人工膜で覆い、そのなかに患者さんの骨や人工骨をいれます。これにより、歯肉が先に再生することなく、骨再生のスペースを確保し、骨が徐々に増加して、最終的にはインプラント治療が可能となります。

GBR(骨誘導再生)が必要になる原因

ご紹介したように、GBRは顎骨の量が少ない場合の処置方法です。そもそも、顎の骨が薄くなってしまう原因は何なのでしょうか。

代表的な原因は下記の3つになります。

●歯の喪失

骨は常に代謝をしています。そのきっかけとなっているのが「噛む」という行為です。一定期間が経過すると骨は代謝により吸収され、新しい骨に入れ替わります。

しかし、歯を失って長い期間経過した場合、噛む刺激がなくなり新しい骨ができなくなります。その結果骨の吸収だけが起こり、骨の量が少なくなってしまうのです。

●入れ歯やブリッジの使用

上記のように噛む力が新しい骨をつくります。入れ歯やブリッジと言った人工歯を装着した場合は噛む行為が出来ますので、骨量が減らないと考えるかもしれません。

しかし、これらの治療では噛む力が顎骨まで伝わりづらく、吸収は続いてしまいます。インプラントの場合には、直接骨にインプラントを埋入するので、刺激が伝わりやすく、骨の吸収は進みにくいと考えられています。

●歯周病の影響

歯周病になると、細菌が顎骨までに侵入してしまいます。その結果、人体は防御機能により炎症を起こし、細菌を排除しようとします。

その際に人間が元々持っている骨を壊す細胞が活性化し、骨を壊してしまいます。治療をしなければ、大幅に顎骨が減少してしまいます。

GBR(骨誘導再生)のメリット・デメリット

GBR(骨誘導再生)のメリット

GBRのメリットは、骨が少ない場合でもインプラント治療が受けられるということです。

歯を失った場合の治療には、入れ歯やブリッジが第一選択とされています。それは保険診療で治療が出来るからというのが大きな理由です。

しかし、噛む力など機能性を比較すれば、インプラント治療に優位性があることは、さまざまな研究からわかっています。

そのインプラント治療の弱点として、骨の量が無いと治療が難しいという点がありました。GBRはそれをある程度までカバーが出来る方法として広く普及しているのです。

GBR(骨誘導再生)のデリット

GBRのデメリットとして、まずあげられるのは治療期間です。

単独でGBRの手術を行った場合、骨が再生するまでに半年から1年程度かかることがあります。そこからインプラント手術をしますので、治療期間が長くなってしまうのです。

しかし、現在では症状によりますが、インプラント手術と同時にGBRを実施する技術もあります。そうなれば、治療期間が大幅に伸びることはないでしょう。

もう一つのデメリットとしては、GBRが保険外診療ということです。経済的な負担がかかってしまいます。

GBR(骨誘導再生)の流れ

前述したように、GBRを実施するタイミングとしては、インプラント手術の前に単独でおこなう場合と、インプラント埋入手術と同時におこなう場合があります。

どちらのタイミングで実施するかは、症状によりますが、基本的に特に骨の量が少ない場合には単独でおこない、少し足りない場合には同時におこなうことが多いようです。

以下はインプラント埋入手術と同時におこなう場合の流れについてご紹介します。

1.自家骨使用では骨を採取する

GBRを実施するには、自家骨(自分の骨)を使用する場合と、骨補填材を使用する場合があります。

骨補填材は動物由来や、ハイドロキシアパタイトなどの人工物です。

自家骨を使用する場合には、下あごの先端(オトガイ部)か、下あごの奥歯の外側からとるケースが一般的です。

2.インプラントを埋入する

歯肉を切開して、顎骨に穴を開けインプラント体を埋入します。

骨の量が十分ある場合にはしっかりと埋入できますが、骨量不足の場合は、インプラント体の一部が露出している状態となります。

3.採取した骨または骨補填材を入れる

上記のインプラントが一部露出している部分を中心にして、骨が足りない部位に自家骨や骨補填材を入れていきます。

4.メンブレン(人工膜)で覆う

自家骨や骨補填材を充填した部分をメンブレンで覆います。メンブレンとは特殊構造の膜で、充填した部分の骨再生を誘導する役割があ

吸収性と非吸収性があり、吸収性は人体に吸収されます。一方で非吸収性の場合には取り出す必要があります。

5.歯肉を縫合する

充填部位をメンブレンでしっかりと覆ったら、歯肉を縫合します。骨の再生とインプラントの強固な結合(オッセオインテグレーション)には個人差はありますが、半年から10ヶ月程度かかります。

症状によっては、歯肉を縫合せずに仮歯を装着する即時荷重(そくじかじゅう)などの処置をおこなうこともあります。

6.人工歯を装着する

インプラントのオッセオインテグレーションが確認されたら、2次手術をおこないます。再び歯肉を切開してインプラント体にアバットメントという接合部品を取り付けて、そこに人工歯(上部構造)を装着します。

非吸収性のメンブレンを使用した場合、この2次手術で取り出す必要があります。

GBR(骨誘導再生)の費用相場

GBRのデメリットでもご紹介しましたが、この治療は自由診療になります。そのため、費用負担は高額になることがあります。

費用相場としては、3万円から10万円の範囲だと思われますが、症状や手術方法などによって幅があります。

GBRをおこなう場合には、必ず費用を確認して、納得の上治療を受けるようにしましょう。

GBR(骨誘導再生)以外の骨造成治療の種類

骨を増やす方法はGBR以外にもあります。特に上顎では、下顎に比べて骨が薄いために、下記のような骨造成方法が取られることも多くあります。

サイナスリフト

サイナスリフトは、上顎の奥歯の骨量が足りない場合におこなわれる骨造成方法です。骨を多く再生できるため、骨の厚みがおおよそ5ミリ以下の場合や、複数の歯が欠損したときに適しています。

サイナスとは上顎奥歯の直上にある上顎洞(じょうがくどう)という空洞のことです。リフトは持ち上げるという意味ですから、サイナスリフトは上顎洞の粘膜を持ち上げ、そのスペースに骨補填材を充填して骨再生をする治療方法という意味です。

ソケットリフト

ソケットリフトは、サイナスリフトと同様に上顎奥歯の骨造成をする方法です。上顎奥歯の骨の厚みが、6ミリ以上の場合に採用され、部分的な骨造成に適しています。

また、多くの場合インプラント埋入手術と同時におこなわれるため、手術回数を減らすことが出来ます。

ただし、多くの骨を増やしたり、複数のインプラント埋入には向いていません。部分的に少量の骨造成をおこなう方法です。

GBR(骨誘導再生)を伴うインプラント手術で後悔しないためには

GBRは骨量が足りない場合でも、インプラント治療が出来る可能性が高まるものです。しかし、メリットだけではなく、前述したようなデメリットもあります。自分にGBRが合っているかどうか、メリットとデメリットをよく検討してみましょう。

また、治療をする歯科クリニックは、慎重に選んでください。骨を増やす処置にはさまざまな方法があり、どの方法に適応するのかは歯科医師の判断になるからです。経験が豊富なクリニックを選んでください。

まとめ

ご紹介してきたように、インプラントは骨の量が少なくてもGBRなどの骨造成法で治療できる可能性があります。

ただ、注意していただきたいのは、GBRなどの骨造成法が得意ではないクリニックもあるということ。その場合、治療を断られることもあるでしょう。

そのような場合でも、セカンドオピニオンとして、骨造成が得意なクリニックに相談してみることをおすすめします。慎重にクリニックを選び、不安や疑問をすべて相談してみて、自分で納得した上で治療を始めてください。

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